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【バリアフリーレポート】第3回 車いすで行く!「オオサカメトロ(Osaka Metro)でGO!」by きーじー[その3]

[その3] 車いすで回る天王寺!

“車いすの旅人”きーじーこと木島英登がお送りするバリアフリーレポート、せっかくオオサカメトロ(Osaka Metro、以下オオサカメトロ)に乗って天王寺まで来たので、駅近のお楽しみスポットを巡りたいと思います!
「てんしば」「天王寺動物園」から「新世界」へ。車いすでストレスフリーに回れるエリアをご紹介します!

[その1] 地下鉄のバリアフリー情報を公開「えきペディア」
http://www.dreamarc.jp/archives/5852/

[その2] バリアフリー化に注力する、オオサカメトロ(Osaka Metro)の“今”
http://www.dreamarc.jp/archives/5891/

天王寺駅前、都会のオアシス「てんしば」へ
緑が映える憩いの場を散策!

南のターミナル駅、天王寺駅まで来たら都会のオアシス「てんしば」がおすすめです。
大阪のセントラルパーク!とは言い過ぎかもしれませんが、緑が映える憩いの場。子どもを遊ばせたり、日光浴したり、園内をランニングしたり、訪れる人が思い思いに羽をのばせる、開放的な都市公園です。わずかに傾斜があり、中央にある大きな芝生広場を見渡せるので、小さな子どもを遊ばせても見守りしやすいのが特徴です。

[写真1]てんしば中央の芝生の広場をのぞむ
8月の取材時には、猛暑で枯れた芝生の植え替えで養生中のエリアもあった
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歩道も広く平坦なので、車いすで問題なく回れます[写真1]。芝生部分も歩けますが、芝生の間に舗装された部分もあるので、こちらも車いすでも安心です。土の地面ではないので、車輪も汚れません。雨の日や、雨上がりでも問題なし。

[写真2]ターミナル駅のすぐ近くに緑が広がる
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公園内には、子どもの遊び場(有料)もあり。乳幼児を連れた人でにぎわっています。屋内施設も充実していて、ペット用品店、ドッグラン、大阪の農産物や加工品をそろえた直売所、フットサルコート、宿泊施設、5軒のカフェ・レストランが芝生を囲むように並んでいます。いずれもバリアフリーに配慮され、車いすで気軽に入れます。
写真撮影用のスポットも用意されています。OSAKAの白い巨大文字。今の時代、インスタ映えすること、SNSで利用者が写真を載せることは、広報宣伝にとって大切ですね。後ろにあべのハルカスが見えますが、ハルカス高すぎ!フレームに入りません(笑)[写真3]

[写真3]あべのハルカスをバックに撮れる記念撮影ゾーン
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「てんしば」内のカフェやレストランにはテラス席も多く、気候の良いときは外で食事やお茶をするのが良さそう。テラス席はテーブルや椅子を自由に動かせることが多く、車いすユーザーにおすすめなんですよね。店内は狭く、動きにくいことが多いから。
その中の一軒、薪窯で焼くナポリピザが人気のイタリアン・カフェレストラン[写真4]で、「てんしば」の管理者でもある、近鉄不動産の方にお話を聞きました。

[写真4]テラス席が心地良いカフェレストラン「青いナポリ イン・ザ・パーク」

「てんしば」は、大阪市の土地ですが、近鉄不動産が業務委託管理を行っているそうです。公共の公園であるため、誰もが利用しやすい施設を心がけているとのこと。ベビーカー、車いす利用者のことを配慮して、傾斜は緩やかに設計し、全ての店に車いすでも入れるようにしています。外国人観光客などに向けて多言語対応や案内サインを工夫、Wi-Fi利用可など、ストレスフリーなくつろぎやすい空間をめざしているそうです。
施設の目玉は、名前にもあるように芝生。芝生で人が集まるのか懸念もあったそうですが、予想を超えての人気に。2015年のオープン以来、毎年来場者数が増加しているとのこと。警備員が常駐し清掃もされているため、管理されたきれいな公園になっています。ファミリー層の利用が多いそうです。

[写真5]“誰もが利用しやすい施設”をめざす「てんしば」を語る
近鉄不動産 アセット事業本部 事業開発推進部の塩見さん(左)と
近鉄百貨店 商業開発本部 第一運営部 てんしば運営管理課の坂下さん(右)
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「てんしば」の利用者は近隣住民が7割。リピーターが多く、自転車で来る人も多いそうです。ママさんが集まる場所でもあるとのこと。ジョギングやウォーキングをする人(芝生1周/450m)も多くいます。
以前の天王寺公園は柵がありましたが、「てんしば」は開放的。各駅から天王寺動物園に行くのに、歩く距離が近くなり、相乗効果で天王寺動物園の入場者数も増加。他の観光施設、大阪市立美術館、新世界とも回遊性がよくなりました。
電鉄会社の系列である近鉄不動産が「てんしば」を運営する意義は、沿線と地域の価値を高めること。芝生という開放的な空間が、人が自然と集まる憩いの場になっていました。素敵ですね。

てんしばを通って、「天王寺動物園」へ
車いすでも快適な観光スポットを堪能

動物園って、世界中どこでもバリアフリーな場所で、園内どこでも車いすで回れるんですよね。なぜなら乳幼児のいるファミリー層も来園しやすいよう、ベビーカー利用に配慮されているから。ベビーカーの多いところ=車いすも通りやすい、という法則。同じ車輪のある乗り物ですから。
車いすユーザーに最も快適な観光スポットのひとつが、動物園なんです。しかも、お財布にも優しい。障がい者手帳があれば、天王寺動物園は無料です。というわけで、「てんしば」に行ったら、隣にある動物園もぜひご訪問ください。

さて、公園と隣接する、てんしばゲートから園内に入ります![写真6] このゲートの横には、2019年11月22日に、ボルダリング、アスレスチック、飲食店、グッズショップなど7店舗が入る、新しい遊びエリア「てんしばi:na(イーナ)」がオープン予定。ますますにぎやかになりそうな予感。

[写真6]てんしばゲートから動物園に入場
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まずは、「アジアの熱帯雨林」ゾーン。設置された小窓の高さが、高いものから低いものまであり、車いすでも、子どもでも、大人でもストレスなく見ることができます[写真7]。いい感じ。
またここからゾウが見られるようになって欲しいですね(天王寺動物園では2019年10月現在ゾウを飼育していません)。

[写真7]「アジアの熱帯雨林」ゾーン
様々な高さの小窓が並び、誰もが自分に無理のない目線で中を見ることができる
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アシカのプールは柵が高くなく、隙間も細かくないため、視線が低い車いすでも、快適にアシカを眺めることができます[写真8]。小さい子どもでも楽しめるようにとの配慮かもしれませんが、車いすユーザーにも恩恵あり。

[写真8]車いすユーザーにも嬉しい仕様のアシカプール
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園内には、もちろん多機能トイレあり。子どもが集まる施設らしく、かわいいデザインになっています[写真9]

[写真9]多機能トイレ。車いすやベビーチェアなどのピクトグラム付きで
誰が使えるかひとめで分かる
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目玉施設の、「アフリカサバンナ」ゾーン[写真10]。実際にアフリカの大地を探検しているような雰囲気があります。少しアップダウンがあり、道もくねくねしていますが、それがむしろ楽しい感じです。階段もないのでご安心を。車いすで自由に回れます。

[写真10]「アフリカサバンナ」ゾーン入口。余裕のある通路はベビーカー、車いすでも通りやすい
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下の方までガラス張りのハイエナ舎。ここも低い目線で楽しめるよう設計されているので、すぐ近くに動物を見ることができます[写真11]

[写真11]サバンナのハンター、ブチハイエナもこんなに近くで見られる。目線が近い!
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このエリアに限らず、ベビーカーで通りやすい場所はやはり車いすでも歩きやすい。天王寺動物園のホームページには、「バリアフリーで楽々周遊コース」も掲載されているので(https://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu170/tennojizoo/enjoyzoo/)事前に確認して、無理ないコースで楽しむのがおすすめです。
最後に、案内していただいた動物園スタッフの方と記念撮影[写真12]。ありがとうございました!

[写真12]案内してくださった 大阪市建設局天王寺動物公園事務所 管理課の濵島さん(左)
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天王寺動物園からのおすすめルート
車いすで入りやすいお店が多い「新世界」をぶらり

入ってきたのとは反対方向の新世界ゲートから、天王寺動物園の外に出ます。「てんしば」から、動物園、新世界と進むと、下り坂になるので、車いすでの散策ルートとしてはおすすめです。反対だと、上り坂になるため、車いすを漕ぐのも、介助者が押すのも大変です。
動物園の外には、“コテコテの大阪”と言われて頭に浮かぶようなエリアが待っています[写真13]

[写真13]お約束の、通天閣をバックに記念写真
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新世界名物の串カツ屋もたくさんあります。いずれも入口に段差はなく、店員さんも気さくで、車いすで入りやすい店がほとんど。ただし、気を付けないといけないことが。ソースの二度づけ禁止! のお店もあります。それさえ守れば自由です。朝からお酒を飲んでもOK。おひとりさまでも大丈夫。取材を終えて、私も一軒の串カツ屋さんへ。皆さんも通天閣の下で、大阪グルメを堪能あれ!

いかがでしたか? 皆さんもバリアフリー化が進むオオサカメトロで、ぜひ大阪の街を楽しんでください。
乗り換えや移動が不安な方には「えきペディア」という強い味方もいます。
それでは、次回のバリアフリーレポートでお会いしましょう!

【追記】
帰りは、オオサカメトロ御堂筋線の動物園前駅から、梅田へ向かいました。
新世界まで来れば動物園前駅が一番近くて便利。通天閣から堺筋に出て、まっすぐ南へ向かえば、動物園前駅の5番口が。ここにはエレベーターもあります。快適にオオサカメトロの改札までたどり着けますよ!

動物園前駅
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各施設について詳しくは…

―天王寺公園エントランスエリア「てんしば」―
https://www.tennoji-park.jp/

―天王寺動物園―
https://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu170/tennojizoo/

■レポーター プロフィール
木島 英登(きじま ひでとう)
車いすの旅人。世界150カ国以上を単独訪問。1973年大阪生まれ。高校3年生のとき、ラグビー部の練習中に下敷きとなり、第11胸椎を脱臼圧迫骨折。脊髄を損傷。以来、車イスの生活に。広告会社勤務を経て、バリアフリー研究所を設立。講演・執筆・コンサルなどを行う。著書に『空飛ぶ車イス』(IMS出版)、『恋する車イス』(徳間書店)『車いすの旅人が行く!』(講談社)がある。訪日外国人へのバリアフリー情報を提供するNPO法人「Japan Accessible Tourism Center(ジャパン・アクセシブル・ツーリズム・センター)」も運営。
個人サイト:http://www.kijikiji.com
NPO法人 Japan Accessible Tourism Center:http://www.japan-accessible.com

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