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西日本最大級、高齢者・障がい者の快適な生活を提案する総合福祉展「バリアフリー2018」レポート

西日本最大級、高齢者・障がい者の快適な生活を提案する総合福祉展「バリアフリー2018」レポート

高齢者・障がい者の快適な生活を支援するための製品やサービスの最新情報が一堂に介する「バリアフリー2018」が、4月19日から21日までの3日間にわたり、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開催されました。

 
会場のインテックス大阪
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今年で24回目となる今回は、目前に迫る介護・医療ダブル改正や障がい保険福祉施策の実施、医療と介護のさらなる連携、病院から在宅へ……といった流れを受け、地域包括ケアを進めるべく、同時開催の「慢性期医療展2018」「看護未来展2018」「在宅医療展2018(新)」と併せ、出展者数382社・団体による1,033ブースが並び、年に一度の西日本最大級の介護・福祉の総合展示会として、3日間で約8万8千人の来場者(主催者発表)で賑わいました。

卓上型対話支援システム「comuoon」(左)(※1)や、筋電義手(右)(※2)など、過去にドリームアークで取材したものも多く展示されていました
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多岐にわたる展示の中から、本レポートでは、今年の傾向と進化ポイント、ICTを活かした製品やサービスなどを、今年初めて設置された「見守り支援ゾーン」と、介護の場に欠かせなくなってきたロボットを集めた「介護ロボットゾーン」を中心にご紹介していきます。

※1:
【ICTレポート】第29回 卓上型対話支援システム comuoon(コミューン) ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社 代表取締役:中石 真一路氏
http://www.dreamarc.jp/archives/4914/

※2:
【ICTレポート】第12回 社会福祉法人 兵庫県社会福祉事業団 兵庫県立リハビリテーション中央病院 「ロボットリハビリテーションセンター」前編
http://www.dreamarc.jp/archives/3071/
【ICTレポート】第13回 社会福祉法人 兵庫県社会福祉事業団 兵庫県立リハビリテーション中央病院 「ロボットリハビリテーションセンター」後編
http://www.dreamarc.jp/archives/3119/

さまざまな施設のニーズに応える多彩なバリエーションが揃う
「見守り支援ゾーン」

高齢化社会が進展し、介護施設への入居者数は年々増加しています。2013年には約11万人だった介護施設定員数が、2014年には約15万人に増加(※3)。今後なお増えることも踏まえて、施設の規模やスタッフの人数、入所者の状態などにより、介護現場での見守りへのニーズも増え、また多様化しています。「見守り支援ゾーン」には、このような多様なニーズに応えられる見守りシステムが展示されていました。その中から気になったものを何点かご紹介します。

1.「Mi-Ru (ミール)」 (ワイエイシイエレックス株式会社)
縦長のスリムなボディに、CMOSセンサーや高感度マイク、スピーカーを内蔵したマルチ離床センサー対応型介護施設向け見守りシステム。
24時間にわたって、認知症の方や高齢者がベッドから離れようとしたときに素早く「認知」「通知」「モニタリング」「声がけ」ができます。携帯端末を使って、映像の確認や会話をしたり、動画の記録再生により状況を遡って確認することも可能。複数の入居者の同時利用、複数のスタッフの同時利用、既存の機器との接続もできるため、介護負担の軽減に大きく役立ちそうです。

2.「Living Recorder(リビングレコーダー)」 (株式会社ウィズ)
介護現場で問題化している予期せぬ事故の発生状況を可視化し、容易に確認・検証できる画像記録装置。従来の民生用見守りカメラと業務用監視カメラの問題点を改善し、全自動操作にするなど、見守り対象者にストレスを感じさせない記録が可能になっています。映像が外部に漏れないよう独立設置タイプにし、高いプライバシー保護を実現するなどの配慮もなされています。

部屋の調度を損なわないよう、スリムなデザインを採用した「Mi-Ru」(左)、ベッドサイドに置いても威圧感を与えないよう考えられた「Living Recorder」(右)など、施設に設置される見守り機器は近年、デザインにも配慮されています
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3.「careone(ケアワン)」 (株式会社NISSHA)
人感・温湿度・ドア開閉の3つの見守りセンサーで、室内の温度や湿度のリアルタイムでの確認、離床や入退室や室内での動きの検知、トイレへの入室の検知などができます。カメラを使用しないので、監視されているという息苦しさを感じさせずに見守ることができます。ケアワンクラウドというクラウドサービスを活用し(利用のための基本セットとしてNTT西日本の光BOX+を使用)、異常の発生をいち早く通知。介護記録ソフト「ほのぼのNEXT」との連携により、アラート通知を記録することができます。カメラレスとクラウドの活用、リモコンでの簡単操作で、よりシンプルで職員の負担を軽減する見守り体制づくりが可能になりそうです。

 
光BOX+を用いた「careone」のセンサーラインナップ
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※3:2016年4月公正取引委員会調べ:特別養護老人ホームなどの介護施設定員数は、2013年1,18,578人から2014年1,621,945人に増加。

介護現場の負担軽減と被介護者の心のケアを担う
「介護ロボットゾーン」

日進月歩で進化している感のある介護ロボット。様々な機関や企業で取り組みが進められていますが、介護者の負担を軽くするものと被介護者の心のケアをめざすものの2つの方向性があるようです。

4.「ロボヘルパー SASUKE(サスケ)」 (マッスル株式会社)
前者の中でもひときわ人目を引いていた、世界的に活躍するデザイナー喜多俊之氏のデザインによる移乗アシストロボットです。「お姫様抱っこ」をコンセプトに、専用シートで体を支え、体圧を分散し、介助される人を抱き上げるような感覚で移乗させます。操作や手順はいたってシンプル、介助する人は手元を見なくても操作できるので、移乗介助に意識を集中できます。

5.「移乗サポートロボットHug(ハグ)」 (株式会社FUJI)
「SASUKE」がお姫様抱っこなら、「Hug」は名前の通りハグする(抱きしめる)ように、やさしく介護される人の移乗をサポートしてくれるロボットです。使い方は、介護される人によりかかってもらって、あとは介護する人がリモコンの操作で抱き上げるだけ。専用シートを使うなどの手間がいらないため、移乗の準備に時間をかけることがありません。また、体重100kgまで対応しているので、ほとんどの体格の方にお使いしていただけます。狭い場所でも使えるようにコンパクト・軽量化され、家庭での介護(移乗介助)に頼れる存在です。

「SASUKE」の移乗デモンストレーション(左)と、「Hug」ブースでのデモンストレーションの一部(右)
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心のケアをめざすものとしては、アニマルセラピーを実現するアザラシ型ロボット「メンタルコミットロボット パロ」(大和ハウス工業株式会社)(※4)が、かわいらしさで例年のように人気を集めていましたが、このゾーン以外でも、体の問題などで行きたいところに行けない人のための分身ロボット「OriHime」(株式会社オリィ研究所)を展示するブースもあり、心身共にバリアフリーな社会をめざす中で、ロボットの存在が、介助する側・される側を問わず、肉体とメンタル双方の面を支える存在になってきていることが感じられました。

家や会社など行きたいところに置き、インターネットを通して操作することで、周囲の人と会話できるなど、使う人の“分身”になってくれるロボット「OriHime」
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※4:下記の記事中にて紹介しています。
西日本最大級の総合福祉展「バリアフリー2015」レポート
http://www.dreamarc.jp/archives/3167/

QOLを向上させるためのウェアラブルデバイス

この他、「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」に基づき、福祉用具の製品開発を担う民間企業などを支援するNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のブースでは、下記のようなウェアラブルデバイス(腕や頭部など、体に装着しての利用が想定された端末)が出展されていました。

6.「DFree(ディーフリー)」 (トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社)
様々な要因により、高齢者が日常的に不安を抱くことが少なくない排尿の問題をサポートする排泄予測デバイス。
超音波センサーを用いて膀胱をセンシングし、排尿のタイミングを予測してスマートフォンやタブレット端末などに知らせるため、排尿に関する不安を和らげるとともに、適切なタイミングでトイレ誘導ができるため、自立排泄のサポートやオムツなどの削減にもつながり、また膀胱の変化もグラフで確認できるので、外出やリハビリテーションのスケジュール管理にも役立てられます。
使用時は、超音波用ジェルと医療用テープを用いて腹部に装着しますが、首に下げるなどもできるようです。このデバイスを用いれば、トイレが心配で外出を諦めていた人なども、安心して出かけることができそうです。

7.「ウェアラブル人工喉頭」 (第一医科株式会社)
がんなどの原因で、喉頭を摘出した人が使用する人工喉頭。従来は片手で持ってあご下周辺に当てなければならないものが多かったのですが、これは、話しているときでも両手を自由に使いたいという利用者の要望に応え、首バンドや拡声器を開発して、首に装着することで、両手を使えるようにした電気式人工喉頭です。
発声したいタイミングに声が出せるよう、操作が容易な手元スイッチを採用、日常生活で違和感なく使えるようデザインにも気を配るなど、喉頭摘出者のQOL向上や社会参加について配慮されたウェアラブルデバイスになっていました。

排尿のタイミングなどもグラフで表示するDFree(左)、手元スイッチで操作できハンズフリーを実現したウェアラブル人工喉頭(右)
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展示を振り返って~人々の「自由度」を高めるICT機器

上記のウェアラブルデバイスに顕著ですが、年々、日常の「自由度」を高めるための機器、グッズなどが増えていることを実感します。
今年から専門のゾーンができた見守り支援や、デモンストレーションに集う人も多かった介護ロボットなど、介護する人の負担を少なくするための機器が進歩しているのはもちろん、「DFree」のように計測された数値をグラフ化して可視化することで、体調管理もより正確に、簡単にできるようにする機器があることには、昨年からの“「見える化」の効用”が、ひとつの流れとして続いていることを感じました。
機器以外では、日常的に使われる杖やシルバーカーなどの色やデザインがよりカラフルに、バリエーション豊富になっていることが印象的でした。QOLが向上することで、外出などを含む「生活の自由」が広がっていることの現れなのでしょう。

高齢者向けの杖や、シルバーカーなどを扱うメーカーのブースは、年々商品のカラーバリエーションやデザインが豊富になり、華やかな雰囲気に
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技術の進歩により、障がいをサポートするのみならず、介護する人の負担を減らすことを考えられた機器が一層増えることで、どちらの日常の自由度も上がっていく可能性を感じさせてくれたバリアフリー2018。AIが人間から仕事を奪うことへの懸念が話題にのぼる昨今ですが、テクノロジーの進歩は、人間をバリアから解放し、より自由にしてくれるのではと思える展示内容でした。来年の更なる発展が楽しみです。

【関連記事】
○西日本最大級 介護・福祉・高齢者医療・介護の総合展示会「バリアフリー2017」レポート
http://www.dreamarc.jp/archives/4436/
○西日本最大級 介護・福祉情報の専門展示会「バリアフリー2016」レポート
http://www.dreamarc.jp/archives/3964/
○西日本最大級の総合福祉展「バリアフリー2015」レポート
http://www.dreamarc.jp/archives/3167/
○バリアフリー2014 福祉に関する最先端情報が一堂に会する総合福祉展
http://www.dreamarc.jp/archives/2284/
○バリアフリー2013
http://www.dreamarc.jp/archives/1603/
○高齢者・障がい者の快適な生活を提案する総合福祉展 「バリアフリー2012」 レポート
http://www.dreamarc.jp/archives/774/
○バリアフリー2011
http://www.dreamarc.jp/archives/196/

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