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言葉の豆知識-エコーロケーション-

言葉の豆知識-エコーロケーション-

「エコーロケーション(echolocation)」とは、日本語では「反響定位」ともいい、動物が音や超音波を発し、その反響によって物体の距離や方向、大きさなどを知ることを意味します。
この能力を使用する動物としては、コウモリ、イルカ、マッコウクジラなどが知られていますが、人間も訓練次第で習得可能といわれており、世界中で研究が行われています。

 
エコーロケーションを使って海を泳ぐイルカ
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視覚障がいのある人の場合、たとえば杖がコンクリートをたたく音の反響で、横にブロック塀があるといった周囲の状況がわかるともいわれますが、エコーロケーションの方法のひとつとして、舌で鳴らした音を周囲に反響させ、その音から周囲の状況を知る、というものがあります。人によっては反響した音の具合で、物の素材まで知ることができるといいます。
先日あるテレビ番組で、エコーロケーションを身につけた人物のひとり、ダニエル・キッシュ氏のことが取り上げられ、大きな反響を呼びました。キッシュ氏は先天的な目の病気(網膜芽細胞腫)のため、生後13カ月までに両眼の視力を失いましたが、舌打ち音によるエコーロケーションを用いることで、半径数十メートルの三次元イメージを組み立てることができ(※)、自転車に乗ることをはじめ、日常的な行動ができているそうです。
足もとの小さな物や段差はわかりにくいため、やはり白杖は必要だそうですが、キッシュ氏は自身の使うエコーロケーションについて、次のように語っています。「舌打ち音を立てると音波が放たれ、周囲にある物体に当たってかすかな反響が返ってきます。それを耳でとらえて、脳でイメージに変換するんです。いわば、周囲の環境と対話しているようなものですよ」(※)
キッシュ氏が作った視覚障がい者の支援団体「ワールド・アクセス・フォー・ザ・ブラインド」(http://waftb.org/)では、世界30カ国でエコーロケーションを教え、多くの人に成果が出ているといいます。「照明のない大昔、人類はこの力を駆使していたのかもしれません。おそらく神経系の“ハードウェア”は元からあって、私はその起動法を見つけただけ。視覚とは目ではなく、脳の中にあるのです」(※)と語るキッシュ氏。世界の視覚障がい者の希望になり得るかもしれない、人間による“エコーロケーション”。今後さらに、その広がりや研究の発展に期待がかかりそうです。

※:インタビュー「音で世界を「見る」 ダニエル・キッシュ」
 ナショナルジオグラフィック日本版サイト(2013年6月20日)より。
 http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20130620/355092/?ST=m_found

 
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