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西日本最大級 介護・福祉情報の専門展示会「バリアフリー2016」レポート

西日本最大級 介護・福祉情報の専門展示会「バリアフリー2016」レポート

高齢者・障がい者の快適な生活を支援するための製品やサービスの最新情報が一堂に介する「バリアフリー2016」が、4月21日から23日までの3日間にわたり、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開催されました。

バリアフリー2016オープニング  
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今年で22回目となる今回は、出展者数383社・団体、ブース数にして1105という、過去最高の規模での開催。国内最大級の介護・福祉情報の祭典として定着しており、リピーターも多く、同時開催の「慢性期医療展2016 」「看護未来展2016」と併せて、3日間で約9万4千人の来場者で賑わいました。

会場風景1 会場風景2
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おもな展示内容は 
・介護・医療:介護用品、認知症対策、リハビリ、ヘルスケア、病院情報
・移動支援:福祉車両・車いすなどの移動機器
・コミュニケーション・生活支援:コミュニケーション機器、自助具
・住まい:住宅、入浴、食、省エネ対策、セキュリティ対策
・事業者向け情報:訪問介護支援、勤務管理システム、専門情報誌
・その他:災害危機対策、図書、各種情報サービス
など、多岐にわたる展示の中から、本レポートでは、今年の傾向と進化したポイント、ICTを活かした製品やサービスを中心に最新情報をご紹介していきます。

「障害者差別解消法」元年①
あらゆる教育現場への普及に期待がかかる「学習支援システム」

今年の4月から施行された「障害者差別解消法」。障がいの有無による差別をなくすために、不当な差別的取り扱いの禁止、また事業者や行政機関に対して合理的配慮への努力義務を定めたもので、この法律の施行により、障がいのある方が、それぞれの地域で普通に暮らせるようになるため、様々な是正の促進に期待がかかります(※1)

※1:詳しくは内閣府のホームページに掲載の「障害者差別解消法リーフレット」をご覧ください。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet.html

教育の現場でも、障がいのある生徒が学びやすいように環境を整える、合理的配慮が求められます。今回は、ICTを利用した学習支援関連製品も多く見られました。

1. 「TALKING AID(トーキングエイド)」
株式会社ユープラスが開発主体の、音声や筆談によるコミュニケーションが苦手な人のためのコミュニケーション支援製品(写真左は製品ラインアップ)。
「TALKING AID」テキスト入力システムは、iPad のアプリとして配布されているため、iPad専用のカバーとキーガード(写真右)をつけることで確実に入力でき、誤操作をなくします。

トーキングエイド製品ラインアップ iPad専用のカバーとキーガード
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2. 「Time Log」(株式会社コムフレンド)
「あと何分?」時間の認識が困難な発達障がいのある児童にも視覚的に時間が認識できるタイマー。LEDの光と音により時間の経過がわかりやすく見えます。

Time Log写真  
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これらの学習支援関連製品は、多くの支援学校で使用されていますが、地域の小・中学校現場での利用実績はまだまだ少ないとのこと。法律が施行されたとはいえ、これらの機器を活用できる教員が現状少なく、人材育成が急務であり、メーカー側は来年度以降の実質導入に向け、啓発活動に力を入れているとのことでした。

「障害者差別解消法」元年② 移動支援の普及

同様に、公的機関に対してはバリアの解消措置が義務化されることで、対応が急がれています。移動支援に向けた製品もめだってきました。

1.「昇助くん」シリーズ(株式会社スギヤス)
どんな曲線でも対応可能ないす式階段昇降機。写真は昇降体験の様子。

昇助くんでの昇降体験の様子  
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2.「Dun-Slope(ダンスロープ)」(株式会社ダンロップホームプロダクツ)
バリアフリー化されていない箇所の、車いす走行での段差を解消する商品で、従来の商品と比べて軽量化されています。また、国内はもとより、スウェーデンやデンマークなどの公共交通機関でも導入されているそうです。

ダンスロープ写真  
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デザイン性の向上と遊び心ある製品の増加

「福祉=ダサい・クラい」。こんなイメージを持たれている方は、まだまだいらっしゃると思います。しかし、バリアフリー展に来れば、そんなイメージは払拭されるでしょう。

1.「COOL binax」(シバントス株式会社)
アクセサリーのようなクールなデザインの耳あな型補聴器で、ワンタッチで着け外しができます。
世界的な補聴器の老舗メーカーであるシーメンス社の製品で、圧迫感が少なく着け心地が快適、ハウリングなどを抑制するといった特徴を持つだけでなく、見た目のおしゃれさも備えたこれらは、日本の工場で一つひとつ手作りされているそう。樹脂を何層にも重ねる精密な作業が要求されるそうで、「made in Japan」の技術力は、ここでも確実に活かされています。

COOL binax写真  
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2.「Carat binax」(シバントス株式会社)
こちらも、自然な聞こえとデザインの美しさを備えたミニRIC補聴器です。めだちにくく電池も長持ち、専用のレシーバー・モールドで高~重度難聴にも対応できます。

Carat binax写真  
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3.「レクリエ」(株式会社世界文化社)
介護施設向けのレクリエーション情報誌。明るく可愛いデザインで、情報ゾーンの中でもブースの華やかさがひときわめだっていました。施設利用者と一緒に楽しめる季節の制作、運動、音楽、料理など、様々なレクリエーション情報を発信、隔月発行されています。
介護施設の現場からよく「利用者に楽しんでもらうために何をしたらいいだろうか」という相談の声が聞かれます。それこそ毎日のことですから、スタッフの方々にとって大きなウェイトを占める悩みになっているようで、このような情報誌は心強い味方です。

レクリエ写真  
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4.「トレパチ!」(豊丸産業株式会社)
インパクトのあるビジュアルに驚く福祉向けパチンコ「トレパチ!」。パチンコのように見えますが実はこちら、ボタンを押すことで楽しみながら運動機能・認知機能を強化することができるという「リハビリ機器」です。ウォーキングマシン付きの「ウォーキング・トレパチ!」など、さらに運動機能をアップできるラインナップもあります(写真右)。
ブースでは、試すうちについ夢中になってしまう方続出。大人気でした(笑)。

トレパチ!体験中 トレパチ!ラインナップ
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5.「ボディ・スパイダー」(東京体育機器株式会社)
遊園地のマシーンを思い出す円型の高齢者向け筋トレマシン。「筋トレエリアが社交場に」というキャッチフレーズの通り、円になって向き合うことで、利用者が会話でき、一緒に身体を動かすことから、コミュニケーションが促される趣向になっています。同時に6人(最大12人)で使用できます。

ボディ・スパイダー写真  
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6.「バーチャル四国八十八ヶ所歩き遍路 お遍路さん」(有限会社CSB)
映像を見ながら歩くことで四国八十八ヶ所巡りができるシニア向け健康支援機器。コンピューターグラフィックを使い、実際の行程の景色を再現。御朱印授与などの動作も行えるようになっているので、利用しながら旅気分を味わえます。

バーチャル四国八十八ヶ所歩き遍路 お遍路さん写真  
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いずれもユニークで「こんなのあり?」と驚いてしまいますが、利用者のニーズに合っていると思えますし、効果面でも納得できるものばかりで、今後、このような遊び心を活かした機器やサービスが増えるのではないか……と予想できます。
「楽しみながら」「誰かと一緒に」「コミュニケーション」は、ICT活用においても共通するキーワードだといえるでしょう。

バリアフリー・ICTの知見を活かした災害対応システムと
多機能化が進む介護ロボット・介助機器

4月14日に起きた熊本地震で被災した方々が、現在も避難生活を余儀なくされている中で、バリアフリー展の防災ゾーンにも多くの人が訪れていました。
また、一昨年から登場した「介護ロボットゾーン」では、これまでに紹介されていた製品のバージョンアップ版が発表されていました。

1.「防災8けたMap」(株式会社武揚堂)
被災者が助けを求めるとき、まず重要なのは「自分がどこにいるか」を正確に伝えること。しかし、地震などで建物が壊れて目印がなくなってしまったら、たちまち説明できなくなります。そこで開発されたのが、緯度経度を8桁のメッシュコードに置き換えて位置情報を判断できる「防災8けたMap」です。
すでに大阪府や兵庫県の一部で導入されており、六甲山で遭難された方が、救助隊の指示に従ってスマートフォンからメッシュコードを送り、無事救助されたそうです。

防災8けたMap写真  
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2.「うなずきかぼちゃん」(ピップ&ウィズ株式会社)
介護施設や個人宅でも高い導入実績のある製品です。昨年に比べ、手のセンサーの感度がアップ。曜日を記憶することにより「今日は何曜日?」という会話が可能に。
また、他言語対応の第1弾として、韓国語を話すかぼちゃんも登場。バリアフリー展には海外からの来場者も多く、日本の介護機器は、国際マーケットも視野に入れて展開しています。

うなずきかぼちゃん写真  
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3.「Chapit(チャピット)」(株式会社レイトロン)
今回初出展の対話型コミュニケーションロボットで、高齢者や要介護者の自立支援向けのロボット。優れた音声認識機能により、雑音があっても会話をキャッチします。
下の写真のように目のLEDを光らせて会話し、「テレビ見ようか」という声に応えるなど家電の操作(赤外線リモコンで操作可能なものなら)もできるので、QOL向上にも役立つそうです。

チャピット写真  
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これらの製品の中には「福祉用具購入助成」(※2)に適用されるものがあり、購入時に公的助成申請が認められるため、現場への導入も今後本格的になっていくことが予想されます。

※2:「福祉用具購入助成」については、各自治体の介護保険担当部署にご確認ください。

法制度とエンドユーザーの声を生かして

以上、バリアフリー2016のレポートをお伝えしましたが、まだまだたくさんの優れた製品やサービスがあり、今後さらに進化が加速することが予見されます。
総じて言えるのは、やはり、介護保険制度や障害者差別解消法などの法的施策が、福祉に関わる環境整備への、確実な後押しになっていること。また、メーカー側の努力が顕著です。エンドユーザーの声を直接聞き、迅速かつきめ細かな対応を行い、さらにユーザーの「本音」を取り入れて、従来の概念を突破した斬新なサービスを打ち出すなど、活発な動きが見られます。
法整備や超高齢社会により、福祉業界と他の各種業界との垣根が外され、距離が縮まっている今、ますます面白くなりそうな、福祉機器・サービス業の最前線を感じることができました。

 
車椅子のカラーバリエーションも年々豊富に
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【関連記事】

○西日本最大級の総合福祉展「バリアフリー2015」レポート
http://www.dreamarc.jp/archives/3167/

○バリアフリー2014 福祉に関する最先端情報が一堂に会する総合福祉展
http://www.dreamarc.jp/archives/2284/

○バリアフリー2013
http://www.dreamarc.jp/archives/1603/

○バリアフリー2011
http://www.dreamarc.jp/archives/196/

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