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西日本最大級の総合福祉展「バリアフリー2015」レポート

西日本最大級の総合福祉展「バリアフリー2015」レポート

高齢者・障がい者の快適な生活を支援するための製品やサービスの最新情報が一堂に会する「バリアフリー2015」が、4月16日から18日までの3日間にわたり、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開催されました。

バリアフリー2015看板  
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本展示会も今年で21回目。出展者数365社・団体、ブース数1013という、過去最高の規模。「ここに来れば福祉機器やサービスに関する最新情報が得られる」とあり、多数の来場者で活気にあふれていました。

多くの来場者でにぎわう各ブース1 多くの来場者でにぎわう各ブース2
左右とも:多くの来場者でにぎわう各ブース

 おもな展示内容は
 ・介護・医療:介護用品、認知症対策、リハビリ、ヘルスケア、病院情報
 ・移動支援:福祉車両・車いすなどの移動機器
 ・コミュニケーション・生活支援:コミュニケーション機器、自助具
 ・住まい:住宅、入浴、食、省エネ対策、セキュリティー対策
 ・その他:災害危機対策、図書、各種情報サービス など

それぞれのカテゴリーごとに、1号館から5号館に展示されているほか、各種講演会・セミナーの開講もあり、1日がかりで見学しても網羅できないほどです。
本レポートでは、その中から、今年の特徴と、ICTを活かした製品やサービスを中心に、ピックアップしてご紹介します。

今回の展示の中で注目したのは、高齢者の暮らしを見守り支える「見守りシステム」で、ラインアップも例年より増えていました。
スマートフォンが急速に普及したことを受け、そのアプリケーション(以下:アプリ)を活用することで、低コスト化された製品も多くありました。たとえば、ネット介護ロボ「みと~ね」(株式会社メリハット)は、スマートフォンの専用アプリからのカメラ操作が可能。ひとり暮らしの高齢者宅に設置することで、離れて暮らす家族が安否を確認することができます。

専用アプリで簡単に「見る・聞く・知らせる」の操作ができるネット介護ロボ「みと~ね」 高齢者宅に設置された見守りカメラの映像をスマートフォンからいつでも確認できる
左:専用アプリで簡単に「見る・聞く・知らせる」の操作ができるネット介護ロボ「みと~ね」
右:高齢者宅に設置された見守りカメラの映像をスマートフォンからいつでも確認できる
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NTT ドコモのブースでは、腕時計型ウェアラブル情報端末「Docotch(ドコッチ)」とスマートフォンのアプリの連携による、高齢者の見守りシステムが紹介されていました。 
搭載したGPSを使った徘徊時の居場所探しや、介護者と一定距離を離れたときにアラートで知らせるなどの機能のほか、搭載された内部センサーが周囲の温度や湿度を計測したり、「動いている」「休んでいる」などの活動状態も把握できる健康管理機能まで網羅されているのが特徴です。
「Docotch」といえば、もともとは子ども向けに開発された製品。丈夫であること・なくしにくいこと・操作が容易であること……これらの性能は、まさに高齢のユーザーにも求められるものでした。
NTTドコモの携帯端末「らくらくホン」が、大きな文字で見やすいということで高齢者ユーザーからも大きな支持を得たように、バリアフリーの技術は、当初のターゲット層を越えて、あらゆる人びとの生活を快適にしてくれるものであることがわかります。

スマートフォンとの連携で高齢者の安全を確認できる機能を搭載した「Docotch」 身に着けられる腕時計型なので、なくしにくい、こわれにくいなどのメリットも  
左:スマートフォンとの連携で高齢者の安全を確認できる機能を搭載した「Docotch」
右:身に着けられる腕時計型なので、なくしにくい、こわれにくいなどのメリットも
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かつては「遠くの身内より近くの他人」と言われていましたが、ICT技術の発展によって、遠隔地の家族同士がリアルタイムでコミュニケーションできることは、ごく当たり前のことになりました。
今後の展望としては、それぞれの地域の方とつながること。たとえば、ひとり暮らしの高齢者が住んでいる町内の方と、遠方で暮らす家族が連携して、高齢者の見守りができるといったサービスも、実際にニーズとしてあがっています。
「遠くの身内も、近くの他人も」と言い換える日も、遠くはなさそうです。

昨年から登場した「介護ロボットゾーン」は、ラインアップが増え、2年目にしてすっかり定着した感がありました。
ベッドからの移動を補助する「ROBOHELPER SASUKE(ロボヘルパー・サスケ)」(マッスル株式会社)は、小型タイプで、コンパクトにまとめられたデザイン、ベッドや車いすの高さに合わせられる上下可能なアームなど、場所を取らず、家庭でも使用できそうです。

移乗システム「ROBOHELPER SASUKE」 「ROBOHELPER SASUKE」を使っての、ベッドから車いすへの移乗の様子  
左:移乗システム「ROBOHELPER SASUKE」
右:「ROBOHELPER SASUKE」を使っての、ベッドから車いすへの移乗の様子
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また、「メンタルコミットロボット パロ」(大和ハウス工業株式会社)は、撫でるとかわいい仕草で応えてくれる、セラピー用アザラシ型ロボット。老人保健施設で購入されたところ、入居者の精神状態が安定し、自発性が促され、笑顔が増えたなどの報告が寄せられているそうです。
難聴者との会話支援機器「COMUOON(コミューン)」(大和ハウス工業株式会社)は、高性能ショットガンマイクが話し手の声だけを集音。周囲の雑音を除去することで自然な会話が楽しめるという機器で、診療室や教室といった場所、さらに、聞こえに不自由さを感じるようになった高齢者の日常生活などでの活躍が期待されます。

愛らしい仕草で人を癒す「メンタルコミットロボット パロ」 テーブルや机上で使用する“耳につけない”会話支援機「COMUOON」  
左:愛らしい仕草で人を癒す「メンタルコミットロボット パロ」
右:テーブルや机上で使用する“耳につけない”会話支援機「COMUOON」
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これらの製品の中には福祉用具購入のための助成(※)が適用されるものもあり、購入時に公的助成申請が認められれば、介護や医療の現場への導入もいよいよ本格的になることが予想されます。

※:福祉用具購入のための助成については、各自治体の介護保険担当部署にご確認ください。

「介護ロボットゾーン」以外でも、ICTの発達によるバリアフリーの広がりは、いたるところで見られました。
そのひとつ、パーソナルモビリティ「WHILL」(WHILL株式会社)は、シンプルで機能的、かつスタイリッシュなデザインの車いすで、座席や肘置きの位置を細やかに可変できることでフィット感がアップ。24個の小さなタイヤから構成される前輪タイヤは、狭い空間での移動をスムーズにします。さらに、iOSのアプリを使用しての遠隔操作や、好みに合わせた走行設定なども可能というもの。デモンストレーションの映像には、WHILLを活用して、日常生活や外出を楽しむ人々の姿が映し出されていました。

これまでにないデザインと高機能の車いす「WHILL」。歩道での走行もできる iOSのアプリを使って操作や設定が可能  
左:これまでにないデザインと高機能の車いす「WHILL」。歩道での走行もできる
右:iOSのアプリを使って操作や設定が可能
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「誰もが地域で当たり前に暮らせるようにする」
バリアフリーのための技術やサービスは、このことを実現するためにほかなりません。
障がいのある人や高齢の人が、自分たちの望むかたちで暮らせるために必要な助けと、介護従事者や家族を支える仕組みを、企業・団体、そして行政組織が連携・協力して充実させていくことが重要です。

この展示会には毎年約9万人という多数の来場者があります。医療・福祉関係従事者はじめ、自治体職員、一般企業の会社員、そして学生の姿も見られます。

連日、多種多様な来場者でにぎわう入場ゲート 熱心に見学する学生
左:連日、多種多様な来場者でにぎわう入場ゲート 右:熱心に見学する学生

福祉分野のみならず、様々な分野の学生が見学に来ていました。建築設計を学んでいるという大学院生は「こんなにたくさんの企業が福祉に関わる製品を作っているなんて知らなかった」と驚いていました。「実際に最新機器に触れたり、作る側の話を聞くことができて、楽しく学べた」そうです。
このように、若い層からの注目度が高まっている福祉業界。今後、異業種分野からの技術や知恵が集まり、さらに発展していくことが期待できる、バリアフリー2015でした。

【関連記事】
○バリアフリー2014
http://www.dreamarc.jp/archives/2284/
○バリアフリー2013
http://www.dreamarc.jp/archives/1603/
○高齢者・障がい者の快適な生活を提案する総合福祉展「バリアフリー2012」レポート
http://www.dreamarc.jp/archives/774/
○バリアフリー2011
http://www.dreamarc.jp/archives/196/

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