1. ホーム
  2. 【ICT体験レポート】第3回:「Windows 8」アクセシビリティ体験レポート

【ICT体験レポート】第3回:「Windows 8」アクセシビリティ体験レポート

Microsoft最新OS「Windows 8」のアクセシビリティ機能についてレポートします。

今や、パソコンなどのICT機器なしでの社会生活が考えられないような時代になっています。その中で、高齢の方や障がいのある方々が情報社会の利便性を享受できるようになるには、パソコンやタブレットなどのアクセシビリティの充実が不可欠です。今回は、2012年秋に登場したOS「Windows 8」のアクセシビリティ機能について、日本マイクロソフト株式会社のご協力のもと、障がいのある方々に実際に操作体験をしていただき、その様子や感想などをレポートします。

今回使用した、新型タブレットPC端末「Surface(サーフェス) Pro」*

皆さん、こんにちは。ドリームアーク編集部です。ドリームアークの読者の皆さんは、日々パソコンやタブレットを活用されていると思いますが、2012年の秋にリリースされた「Windows 8」は、もうお使いになられていますか?
タイル貼りのような独特のユーザー・インターフェース(※1)のスタート画面や、タッチパネル式の操作(対応機器以外はカーソル操作)など、さらに誰もが使いやすいOSをめざし、アクセシビリティ機能はもちろん、様々な機能をより強化して世に送り出されたのが「Windows 8」です。2013年秋には、「Windows 8」ユーザーに対して、「Windows 8.1」への無償アップデート版が提供されます。

※1 ユーザー・インターフェース:コンピュータと人間(ユーザー)との間で情報をやり取りするための方法、操作、表示といった仕組みの総称。

では、体験レポートを始める前に、まず「Windows 8」のアクセシビリティ機能のポイントをご紹介しましょう。

【「Windows 8」のアクセシビリティのポイント】
パソコン操作に集中し、作業を効率よくスムーズに進めることができる、様々な機能の設定ができます。

■コンピューターを画面なしで使用する

「ナレーター」
入力したキ―やフォーカスが当たっているところなど、画面上の情報を音声で読み上げる機能です。音量はもちろん、声色や読み上げ速度の調整もできます。
[対応する障がい]視覚障がい

■コンピューターを見やすくする

「ハイ コントラスト」
通常の配色では画面がまぶしいという場合などに画面の色のコントラストをカスタマイズできます。ウィンドウ、テキスト、ハイパーリンクの色などを変更することも可能です。
[対応する障がい]視覚障がい

「拡大鏡」
起動させると、画面上に表示される虫眼鏡をクリックするか、タスクバーの拡大鏡のアイコンをクリックすれば、画面を拡大して見ることができます。
[対応する障がい]視覚障がい

■マウスやキーボードを使わずに操作する

「スクリーン キーボード」
標準的なキーボードを扱うことが難しい場合、スクリーン上のキーボードを使って文字入力することができます。
[対応する障がい]上肢障がい・四肢障がい

「音声認識」
音声を使用して、「プログラムを起動する」「メニューを開く」などのコンピューター操作や音声による文字の入力ができます。
[対応する障がい]上肢障がい・四肢障がい・視覚障がい

■マウスを使いやすくする

「マウス設定」
左右ボタンの切り替えやダブルクリックの速度、ポインターの速度・色・形・自動移動などの設定を変更、調整することができます。
[対応する障がい]上肢障がい・四肢障がい

■キーボードを使いやすくする

「マウス キー」
不随意運動(※2)が大きいなどでマウスの操作が難しい場合、マウスをキーボードのテンキーを使って操作することができます。
[対応する障がい]上肢障がい・四肢障がい

「固定キー」
[Ctrl][Alt][Delete]を同時に押すなど、複数キーの同時操作ができない場合に有効。キーを2回続けて押すことで、そのキーを常に押されている状態にすることができます。
[対応する障がい]上肢障がい・四肢障がい

「フィルター キー」
繰り返し入力されたキーボード操作や速いキーボード操作を無視。繰り返し入力時間の間隔を設定することもできます。不随意運動のためにキーボードにミスタッチしてしまうなどの誤操作に対応します。
[対応する障がい]上肢障がい・四肢障がい

■音声情報を視覚情報に変換する

「サウンド表示」
音が聞こえにくかったり、まったく聞こえない場合、音声による情報を文字や画像などの視覚的な情報に変換して表示することができます。
[対応する障がい]聴覚障がい

※2 不随意運動:自分の意志とは関係なく現れる動作・運動。

詳しい手順については下記ホームページにてご確認ください。
日本マイクロソフト アクセシビリティ ホームページ
Windows 8 のアクセシビリティ機能
Windows 8 アクセシビリティ ガイドブック
http://www.microsoft.com/ja-jp/enable/products/windows8/default.aspx

上肢に障がいのある株式会社NTT西日本ルセントのおふたりに
「Windows 8」の操作体験をしていただきました

今回、参加いただいたのは、当サイト「ドリームアーク」を運営する(株)NTT西日本ルセントに勤務するおふたり、中村ひろ子さんと上田義雄さん(いずれも仮名)。中村さんは、四肢に障がいがあり、等級は身体2級、パソコンは右手で操作されています。上田さんは、右上肢身体障がいの身体3級で、左手で操作しているそうです。おふたりとも、おもに紙の文書をPDF化する業務を担当されており、普段は、「Windows 7」搭載のパソコンで、テキスト入力、メール作成などをなさっています。通常、両手で行う作業を片手で実施するので、倍ほどの時間を要し、非効率に感じているとのことでした。また、離席のたびに必要となるCtrl+Alt+Deleteの同時押しが難しく、何かいい方法はないか、と考えているそうです。
そんなおふたりにとって、頼もしいインストラクターとなるのが、日本マイクロソフト(株) 技術統括室マネージャーでアクセシビリティ・アクティブシニアプログラム担当の大島友子さん。今回の操作体験で、おふたりはどんな業務改善のヒントを獲得されるのでしょう。乞う、ご期待。

操作説明をする大島さん(中)上田さん(左)も中村さん(右)も「Windows 8」のアクセシビリティ機能に期待を寄せています

まずは、スタート画面の説明からはじまりました

今回の体験に用意されたのは、話題の新型タブレットPC「Surface Pro」。まずは、大島さんからスタート画面の説明がありました。タイルと呼ばれる独特のアイコンが並んだユーザー・インターフェイスは、タッチ操作でもマウスクリックでも使いやすいように工夫されたデザイン。アイコンは好きなものだけを表示したり、大きさを変えたりカスタマイズすることができます。おふたりとも初めての操作でしたが、指を使ってまずは自由に操作感を確かめられていました。もうひとつ、デスクトップ画面の説明も。こちらは、従来の「Windows 7」と同じユーザー・インターフェイスで、コントロールパネルやデバイスマネージャーなどが実行できます。さらに、「Surface Pro」はUSBに対応しているので、トラックボール(※3)などの周辺機器をこれまで通り接続して使えることも紹介されました。

※3 トラックボール:パソコンの入力装置のひとつ。マウスをひっくり返したような構造で、上部にあるボールを指で転がしてカーソルを動かす。

新しい独特のスタート画面を説明する大島さん(左)と見覚えのあるデスクトップ画面(右)

続いてCtrl+Alt+Delete同時押しの裏技、「固定キー」

続いて、アクセシビリティ機能のひとつ「固定キー」の説明です。上田さんは左手のみ、中村さんは右手のみ、おふたりとも片手でパソコンを操作されているので、Ctrl+Alt+Deleteなど、複数キーの同時押し操作が大変だとおっしゃいます。「固定キー」は、キーを押したままの状態に設定できるので、とても役立ちそう、としきりにうなずいていらっしゃいました。「固定キー」は、シフトキーの5回押しでオン/オフができたり、と使い勝手にも配慮してありました。

キーを押したままの状態にできる「固定キー」の設定画面* 固定キー設定の様子
キーを押したままの状態にできる「固定キー」の設定画面*(左)と固定キー設定の様子(右)
※クリックすると大きな画像が開きます。

より入力しやすくできる「スクリーンキーボード」、
重度障がい者の活動を支援する「OAK(オーク)」

上肢に障がいのある場合、困ることが多いのが入力操作。「スクリーンキーボード」は、画面に表示されるキーボードをタッチするだけで入力できるので、押下の必要がある標準的な外付けキーボードに比べて、かなり負荷を抑えることができます、と大島さん。キーボードのサイズは自在。ポインターを数秒間置くだけで入力することもできます。また、あらかじめ設定した時間毎にキーボードがスキャンされていき、スペースキーなどひとつの信号を送るだけで入力したい文字が選べる、キーのスキャン機能も搭載しているそうです。多彩な入力方法に、おふたりは大きくうなずいていらっしゃいました。

「スクリーンキーボード」表示画面

次に、より重度の肢体に障がいのある方の活動を支援する「OAK(Observation and Access with Kinect)(※4)」の紹介が続きました。これは、最新技術を応用したWindowsパソコン向けの入力装置「Kinect(キネクト) for Windows」のセンサーで、体のわずかな動きを読み取ることで、その人が意志を表したり、能動的に活動したりすることを支援するソリューションです。具体的には、使う人の自然なしぐさなど、特定の動きをスイッチとして登録すると、その動きでリターンなどのパソコン操作ができるというもの。従来のスイッチと異なり、機器を体に装着する必要がなく、簡単に操作ができるので、脳性まひや脊髄性筋委縮症などにより重度の障がいのある人には、頼れるソリューションとなるに違いありません。

※4 OAK:東京大学先端科学技術研究センターと日本マイクロソフト(株)により共同開発されたソリューションで、(株)アシスト・アイより販売されています。

「OAK」の操作画面(左)と入力装置「Kinect」*(右)

いよいよ、「音声認識」の操作体験です

キーボードやマウス操作が難しい人にとって、最も興味があるアクセシビリティ機能のひとつが「音声認識」ではないでしょうか?いよいよ「Windows 8」の音声認識機能の操作体験が始まりました。まずは、音声認識を使ってのパソコン操作。自分の声で、画面が次々変わっていく様子を見て、おふたりともびっくり。続いて、音声による文字入力を体験。おふたりの話した内容が、そのまま文字に変換されていきます。文字修正も音声で指示できます。音声をより適確に捉えられるようにする学習機能も搭載。多少の誤認識はあるものの、かなりスムーズに文字変換されていく音声認識には、おふたりとも“へー”の嘆息。これならキーを打つより早そうです。大島さんからは“マイクを使用すれば、より認識率が向上します。また、「Windows 8」の基本機能に加えて、市販の音声認識ソフトも併用することで、さらにできることが広がりますので、その人その人に合わせてどんどん活用してください”とのアドバイスもいただきました。「AmiVoice(アミボイス)」や「ドラゴンスピーチ」など、「Windows 8」に対応した様々な音声認識ソフトが市販されていますので、興味のある方はぜひ調べてみてください。

「音声認識」の設定画面 「音声認識」機能を試す中村さん
「音声認識」の設定画面(左)と「音声認識」機能を試す中村さん(右)
※クリックすると大きな画像が開きます。

また、より重度の障がいのある人向けの「マウスグリッド」機能は、「マウスグリッド」と声で指示すると画面上にグリッド(格子状の9つのマス目)が現れ、それぞれのマスの番号を言うとそのマスがさらに9つのマス目に区切られます。これを繰り返すことで目的の場所をクリックしたりするもので、手間はかかるけれど確実な操作ができます。

「マウスグリッド」操作画面*
「マウスグリッド」操作画面*
※クリックすると大きな画像が開きます。

次は、「Windows 8」の特長的な機能「ナレーター」、「ピクチャーパスワード」

“これは、視覚障がいのある方向きなのですが”との前置きのあと、“「Windows 8」の特長的なアクセシビリティ機能「ナレーター」を紹介します”と大島さん。スタート画面を立ち上げると、画面上の文字を音声が読み上げはじめました。新着メールも開けることなく読み上げてくれます。読み上げスピードを変えることも可能。Webサイトの内容も読み上げてくれます。これは、「Windows 8」で初めて音声エンジン「Haruka(はるか)」を標準搭載したからできたこと。これまでのように日本語読み上げソフトを追加インストールする必要がないので、視覚に障がいのある人には大変役に立つ機能です。

「ナレーター」が、スタート画面上のテキストや新着メールを次々と読み上げます 「ピクチャーパスワード」設定画面
「ナレーター」が、スタート画面上のテキストや新着メールを次々と読み上げます(左)
「ピクチャーパスワード」設定画面(右)*
※クリックすると大きな画像が開きます。

もうひとつ、タッチパネルに対応した「Windows 8」ならではの新しい認証手段、「ピクチャーパスワード」を。パスワードは普通は文字で入力しますが、「ピクチャーパスワード」は、丸や線、タップ(画面を軽くタッチする動作)など3つの操作を登録しパスワードにできる機能。アクセシビリティに特化した機能というわけではありませんが、文字入力が困難な障がいのある人にも役立つ機能です。

最後に、普段お使いのパソコンのアクセシビリティを改善

最後に、上田さんが普段お使いの「Windows 7」搭載のパソコンを使って、より使いやすくなる便利な機能についてレクチャーしていただきました。トラックボールの試用をはじめ、マウスのスピードなどの設定ができる「マウス設定」、テンキーを使ってマウスを操作する「マウスキー」、不随意運動によるキーの誤操作に対応する「フィルターキー」、スタート画面で文字入力すると「Windows 8」のように即検索を実行できる設定、キーの組み合わせで様々な機能の操作ができる「ショートカット」などを紹介していただきました。
ショートカットキーの一覧は、日本マイクロソフト アクセシビリティ ホームページ、またはアクセシビリティガイドブックに掲載されていますので、ぜひ活用してみてください。

日本マイクロソフト アクセシビリティ ホームページ
キーボード ショートカット キーの一覧
http://www.microsoft.com/ja-jp/enable/products/keyboard/default.aspx
日本マイクロソフト アクセシビリティガイドブック
http://www.microsoft.com/ja-jp/enable/products/guidebook.aspx

おふたりの普段お困りの点を伺いながらレクチャー(左)。トラックボール(右)の試用も

1週間の試用後、おふたりに操作体験の感想を伺いました

日本マイクロソフト(株)のご厚意で、レクチャー終了後も「Surface Pro」を1週間お貸しいただき、操作体験を続けられたおふたりに、試用後の感想をお伺いしました。

中村:「音声認識」機能は、入力作業の負担をかなり減らすことができるので、“使えそうだ”と思いました。上司とも相談して、前向きに導入を考えています。私が一番いいな、と思ったのは「スクリーンキーボード」でした。腕を上げる力が弱いので、スクリーンに映されたキーボードに、マウスでポインターを当てるだけで入力できるのは魅力でした。トラックボールに関しては、私の手の具合から、奥が高い傾斜より、手前が高い傾斜の方が使いやすいです。いろんな角度に調整できるものがあればいいな、と思いました。
上田:「音声認識」機能に関しては中村さんと同じです。僕も「スクリーンキーボード」が役立つな、と思いました。僕は指の押す力が弱いので、(タッチパネル式の端末であれば)タッチするだけで反応してくれる、というのはありがたいことです。現在のパソコン利用環境としては、結構、努力して今の入力操作に慣れたので、現状である程度満足しています。次々と新しい機能が出てきてもなかなか対応できなかったりしますから(笑)。でも、いいものはいいですね。「固定キー」や「スクリーンキーボード」など、これまで知らなかった操作や機能をたくさん知ることができて、今回の体験はとても役に立ちました。

「スクリーンキーボードが役立ちそう」「音声認識導入を検討したい」と話すおふたり

おふたりとも、体験内容に満足していただいているようです。今回体験したアクセシビリティ機能は、「Windows Vista」「Windows 7」時代から搭載されているものも多く、それらがより改善されたり、新しい機能が追加されたりしているのが「Windows 8」です。ドリームアーク読者の皆さんも、まずはお手持ちのパソコンOSに備わっている便利な機能を一度チェックしてみられてはいかがでしょうか。知っているようで、意外と知らないパソコンの便利な操作方法。それを知れば、アクセシビリティはもっともっと向上するに違いありません。今回のような操作体験の場が、どんどん増えることを期待しています。

日本マイクロソフト(株)の大島友子さんに、
アクセシビリティへの考えや活動についてお伺いしました

日本マイクロソフト(株)の技術統括部に所属し、Windows等の自社製品やそれらのアクセシビリティ機能の普及のために全国を駆け巡っていらっしゃる大島さんに、アクセシビリティへの思いや日々の活動についてお伺いしました。

日本マイクロソフト(株)技術統括室の大島さん

編集部:マイクロソフトさんでは、これまでアクセシビリティに関して、どんな取り組みをされてきましたか?
大島:アメリカ本国においては、マイクロソフトはアクセシビリティに対する取り組みを1988年にスタートさせています。「Windows 95」でアクセシビリティ機能が初めて搭載されました。日本では1998年より専任者による取り組みが始まっています。
機器やソフトウェアのアクセシビリティには、世界的な標準や規制がありますし、日本には「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-(JIS X8341)」という標準があります。これらを満たすために社内には「マイクロソフト・アクセシビリティ・スタンダード」が用意されていて、基準を満たさないと出荷できないように定めています。このように、法的な規制をもちろんクリアして、さらに多くの方に使いやすい製品を提供できるように努めています。
編集部:どんな体制で、アクセシビリティ向上を図っていらっしゃいますか?
大島:マイクロソフトには、世界中に3万人を超える開発者がいて「Windows」や「Office」「Windows Server(サーバー)」などのチームに分かれています。そして、それぞれのチーム内にアクセシビリティ担当者を置くと同時に、全体を統括し、ガイドラインを作成するなどを担当する専門部署も設けています。日本では私が所属している技術統括室がその専門部署にあたりますが、米国はもちろん、国内の30社ほどの協力会社とも連携しながら開発を行っています。
編集部:「Windows 8」のアクセシビリティのポイントを端的に表現すると?
大島:「Windows 7」から「Windows 8」への進化に関しては、日本語読み上げ機能(音声エンジン名Haruka<はるか>)をOS内に搭載したこと。“最初から日本語で喋れるようになった”というのが大きな特長なんです。それが「8.1」になると『箸』と『橋』の違いのような、いわゆる詳細読みもできるようになります。
タッチ操作ができることとか、スタート画面に自分の必要なアイコンだけを必要な大きさで載せておけるという自由度の高さも役に立つと思っています。あと、「ピクチャーパスワード」ですね。これは、先ほどご説明したように、文字のパスワードではなく、線や丸といったタッチ操作に関わる動作を組み合わせることで、ユーザー認証する仕組みです。これら3つも「Windows 8」から生まれた、障がいのある方のお役に立てる機能ではないかと思っています。

大島さんの言葉の一つひとつに、使う方に寄り添う思いやりが感じられます

編集部:アクセシビリティ担当者としての日頃の業務をご紹介いただけますか?
大島:私の所属する技術統括室では、アクセシビリティ機能を使っていただくためのマーケティング活動や、実際の日本語版のアクセシビリティに関する開発などを担当しています。
具体的には、実証研究をしたり、障がい者や高齢者の方々に実際に使っていただく事例を作るというのが私のおもな仕事です。たとえば、当社で開発した製品をアクセシビリティの製品として展開できないか、といったことを模索しています。今回ご紹介した「キネクト」も、元々はゲーム用だったんですが、障がいのある方に応用できないかと大学の研究者の方々と一緒に開発に取り組んで実現させたんです。それと、製品のレクチャーなども大切な仕事です。今回のICT体験レポートもそうですが、使い方を多くの方々に広く知っていただく活動を行っています。あと、各地の自治体などと共同で、“高齢者のIT活用を推進しましょう!”といったプログラムを1年がかりで推進したりすることもしています。“地域で困っていることをパソコンを持って行って解決”みたいな(笑)。基本には、当社のCSR(企業の社会的責任)のベースとなる考えである“テクノロジーを使って社会貢献をしましょう” というのがあるんですね。
編集部:「Windows 8」では、かなりタブレット端末も意識されているようですが、御社のタブレット端末「Surface」についてお聞かせ願えますか?
大島:「Surface」には「Pro」と「RT」という2機種が用意されているんですが、“ProはタブレットのようなPC、RTはPCのようなタブレット”というように表現しています。選ぶ基準があるとすれば、使う方が何を目的にされているか、ですね。「RT」は、安価なのにExcel・Word・PowerPointなどのOfficeソフトが入っているうえに、Windowsストアのアプリをダウンロードして使えます。キーボードをつければパソコンみたいに使えますしね。コストパフォーマンスで選ぶなら「RT」かもしれません。「Pro」の方は、「Office」ソフトはもちろん、業務用ソフトや障がいのある方向けの専門的なアプリも走らせることができます。CPU(中央処理装置)の性能もより高いですし、スタイラスペン(タッチペン)にも対応しています。本格的なパソコンとして使われるなら「Pro」をおすすめします。
編集部:最後に、ドリームアークの読者の方々に、マイクロソフトさんとしてメッセージがあれば…。
大島:私自身、この仕事を担当するまで、この会社にいても、目の見えない方など、障がいのある方がパソコンを使えるなんて考えたこともなかったんです。それが、実際は多くの障がいのある方々がパソコンを使いこなしていらっしゃる。驚きでした。その背景には、やはりハードやソフトの進化があると思います。日進月歩いや秒進分歩で進化しているように思います。そんな中、私たちは、優れたアクセシビリティ技術をひとりでも多くの方に広めたいと思っているので、今回のようなICT体験レポートに興味をお持ちのドリームアーク読者の皆さんには、ぜひ周りの方々に、“困ったことを解決する方法があるんだよ”とか、“実はもっと便利になるこんな機能があるんだよ”ということを、広めていただけたらな…と思います。そうなれば、もっとたくさんの人が情報社会の利便性を享受できるはずですから。
編集部:今回はお忙しい中、お運びいただきありがとうございました。
大島:こちらこそ、ありがとうございました。

ドリームアーク読者の皆さんへ伝えたい思いを語る大島さん

-プロフィール-
◆大島 友子(おおしま ともこ)
日本マイクロソフト株式会社
技術統括室
マネージャー(アクセシビリティ・アクティブシニアプログラム担当)
・福祉情報技術コーディネーター1級
・シニア情報生活アドバイザー
◆取材協力・画像提供(*印):日本マイクロソフト株式会社
〒108-0075
東京都港区港南2-16-3
品川グランドセントラルタワー
ホームページ:http://www.microsoft.com/ja-jp/
◎身体に障碍 (しょうがい) をお持ち等の理由により電話でのお問い合わせが困難な方のための窓口
http://www.microsoft.com/ja-jp/enable/products/supportinfo.aspx
-製品データ-
[品名] Surface Pro(サーフェス プロ)*
http://www.microsoft.com/surface/ja-jp/surface-with-windows-8-pro/
販売価格:128GBモデル 89,800円、256GBモデル 109,800円(消費税込)
(タッチ カバー/タイプ カバーは別売)
Surface Pro(サーフェス プロ)


[主な仕様]
・OS:Windows 8 Pro(64ビット)
・外形:約275mm×173mm×14mm/約907g/VaporMg 製ボディ (マグネシウム合金)/チタンカラー/音量および電源ボタン
・記憶域:128 GB/256 GB
(※システム領域として一定の記憶容量を使用。使用可能なユーザー領域は128GBモデルは約 89 GB、256GBモデルは約 208GB。ただし、システム ソフトウェアの更新プログラムやアプリの使用により変動。詳しくは、Surface.com/storage をご覧ください。)
・ディスプレイ:10.6 インチClearType HDディスプレイ/1,920×1,080 ピクセル/16:9 (ワイドスクリーン)/10 ポイントマルチタッチ
・ペン入力:ペン入力とペン (同梱)
・CPU:第3世代 Intel® Core i5™ (GPU: Intel HD Graphics 4000)/4 GB RAM
・ワイヤレス機能:Wi-Fi (802.11a/b/g/n) 準拠/Bluetooth 4.0
・電池消耗:42 W-h
・カメラ/AV 機能:720p HD LifeCam x 2 (前面/背面)/マイク x 1/ステレオ スピーカー
・ポート:フルサイズUSB 3.0/microSDXCメモリカードスロット/ヘッドホンジャック/ミニディスプレイポート/カバー端子
・センサー:光センサー/加速度計/ジャイロスコープ/デジタルコンパス
・電源:48 W 電源
・保証:1年間のハードウェア保証
[アプリ (製品に含まれます)]
・Office Home & Business 2013 (Word/PowerPoint/Excel/OneNote/Outlook)
・Windows メールおよびメッセージング
・SkyDrive
・Internet Explorer 10
・Bing、Skype
[品名] Surface RT(サーフェス アールティ)*
http://www.microsoft.com/surface/ja-jp/surface-with-windows-rt/
販売価格:32GBモデル 34,800円、64GBモデル 44,800円(消費税込)
(タッチ カバー/タイプ カバーは別売)
Surface RT(サーフェス アールティ)


[主な仕様]
・OS:Windows RT/Office 2013 RT (Word/PowerPoint/Excel/OneNote) 搭載
(注:Windows ストアから入手できるアプリでのみ動作します。)
・外形:275mm×172mm×9mm/約680g/VaporMg 製ボディ (マグネシウム合金)/チタンカラー/音量および電源ボタン
・記憶域:32 GB、64 GB
(※システム ソフトウェアが一定の記憶容量を使用します。使用可能な記憶容量は、システム ソフトウェアの更新プログラムやアプリの使用によって変化します。1GB = 10億バイト。詳しくは、Surface.com/storage をご覧ください。)
・ディスプレイ:10.6 インチClearType HD ディスプレイ/1,366×768ピクセル/16:9 (ワイドスクリーン)/5ポイントマルチタッチ
・CPU:クアッド コア NVIDIA Tegra 3/2GB RAM
・ワイヤレス機能:Wi-Fi (802.11a/b/g/n) 準拠/Bluetooth 4.0
・バッテリ駆動時間:最大約8時間
・カメラ/AV機能:720p HD LifeCam x 2 (前面/背面)/マイク x 2/ステレオ スピーカー
・ポート:フルサイズUSB 2.0/microSDXCメモリカードスロット/ヘッドホンジャック/HD ビデオ出力/カバー端子
・センサー:光センサー・加速度計/ジャイロスコープ/デジタルコンパス
・電源:24 W 電源
・保証:1年間のハードウェア保証
[アプリ (製品に含まれます)]
・Office 2013 RT (Word/PowerPoint/Excel/OneNote)
・Windowsメールおよびメッセージング
・SkyDrive
・Internet Explorer 10
・Bing
・Xboxミュージック
・Xboxビデオ
・Xboxゲーム
印刷用ページを表示する

NTT西日本通信サービスの使命

バックナンバー

*クリックまたは、エンターキーによりメニューが表示されます