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川村義肢株式会社 バーチャル会社見学ツアー レポート

“ここに来れば、義肢・装具のことが、なんでもわかります”川村義肢株式会社 バーチャル会社見学ツアーレポート

1946年の創業以来、義肢と装具の製造を通じて、障がいのある人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上に努めてきた川村義肢株式会社。その活動は、“「生命」「生活」「人生」という3つの「Life」の質を高め、行動範囲が心身ともに拡大する心のこもったサービスや最高の製品をお届けします。”という理念を礎にしています。
今回は、一般の方を対象にしている「会社見学ツアー」に参加。義肢・装具のことをたくさん学んできました。その成果をバーチャルツアー風のダイジェスト版でお伝えします。

広報部広報係係長の武川亜樹さん

ナビゲーターをしていただいたのは、広報部広報係係長の武川亜樹さん。

介護福祉士、福祉用具プランナー、福祉住環境コーディネーター2級の資格をお持ちの3児の母です。

まずは、義肢・装具のあれこれを集めた「歴史展示室」へ。

歴史展示室

ここには、昭和初期の古い義肢・装具から最新のハイテク義肢まで、さまざまなものを展示。また、「義肢・装具の歴史」をタペストリー展示し、義肢・装具の長い歴史を詳しくわかりやすくひも解いています。

ユニークな義足

武川さん「国際学会に出展された浮世絵柄ソケットの義足(右)と、義足のランナーとして知られる南アフリカのオスカー・ピストリウス選手が使用している足部の海外メーカーがナイキとコラボレーションした義足(左)。こんなユニークな義足もあるんです。」
いろいろな義手

武川さん「昭和20年代からの義手を集めたコーナーです。道具が先についている大工さん用の義手から、筋肉が出す微細な電位をセンサーで感知して対応する新しい義手まで、いろいろな義手が見られます。」
新旧の様々な義足

武川さん「昭和初期に作られたと思われる竹製の義足から、コンピューター制御により歩くスピードに合わせて義足の振り出しをコントロールできるものまで、新旧の様々な義足を展示しています。」
川村義肢創業時の国内外の文献

武川さん「川村義肢創業時の国内外の文献を展示しています。当時は参考となる文献が少なく、創業者である川村一人は、大変苦労してこれらの文献を集めたそうです。」
義肢・装具の歴史

武川さん「ギリシャ時代の記述から最新の義肢・装具の動向まで、『義肢・装具の歴史』を3枚のタペストリーにして、詳しく紹介しています。これを見れば、義肢・装具の長い歴史がよくわかります。」
川村義肢に贈られた国家勲章など

武川さん「ここでは、川村義肢に贈られた国家勲章なども展示しています。これまでの川村義肢の活動に対していただいた評価は、これからの活動の励みになります。」

続いて、お客さまが直接からだにつける義肢と装具を作る3階へ。

3階「義肢・装具製造」フロア

3階は、「義肢・装具製造」フロア。お客さまが直接からだにつけるツールを製造しています。①「義手・義足」、②「ギプスモデル」、③「金属装具・硬性装具」、④「整形靴」、⑤「仕上げ」のセクションがあり、それぞれがチーム体制を組んで作業しています。製造内容がお客様一人ひとり異なるので、カルテのような指示書を使って情報を共有&伝達しています。

3階フロアマップ

ひとつひとつていねいに義肢を作っています。
①「義手・義足」

ここでは14~15人のスタッフが作業しています。オーダーメイドのソケット(からだの切断部と接触する部品)やコネクター、チューブ、足部などのパーツでひとつの義肢を組み上げ、長さや角度などを微調整して、使いやすくカスタマイズしています。

「義手・義足」セクションの様子

武川さん「まったく同じものがふたつとないのが義肢。お客様の症状や義肢の材料・サイズ、画像情報など、繁雑になる製造データは、カルテのような指示書で共有され、伝達されています。」
「義手・義足」セクションの様子

武川さん「石こうでできたお客様の患部の型に、グラスファイバーなどの繊維を重ね、樹脂を注型してソケットを作ります。
「義手・義足」セクションの様子

武川さん「採寸・採型から納品までは3~4週間。完成品の品質を保つため、製作に関わるノウハウは文書にして標準化され、共有されています。」
義手グローブ

武川さん「さまざまな種類が用意されている『義手グローブ』。たくさんの型の中から、自分のからだに一番合ったものを選んで作ることができます。」
義手

武川さん「ほとんど本物そっくり、精巧につくられた義手は、体温があれば、“本当の手”と区別がつかないくらいです。」

義肢・装具製造の中で最も重要なセクション。
②「ギプスモデル」

石こうでできたお客さまの患部の型を最適な義肢や装具の元となるように、石こうを盛ったり削ったりして修正する、製造工程の中でも、特に重要なセクションです。フロアの中央にオープンスペースとして設けられ、ここを中心に組立エリアがレイアウトされています。

「ギプスモデル」セクションの様子

武川さん「内からも外からもよく見えるオープンスペースなので、ギプスモデルのスタッフと組立スタッフがアイコンタクトを取りながらスムーズに作業しています。」
「ギプスモデル」セクションの様子

武川さん「熟練の職人を中心に、高い技能を持ったスタッフが作業に携わっています。皆真剣なまなざしで、黙々と手際よく作業を進めています。」
「ギプスモデル」セクションの様子

武川さん「スタッフは幅広い年齢層にわたっています。熟練者と若いスタッフが交流することで、知識や技術の継承がスムーズに行われるように、という目的からの工夫です。」
「ギプスモデル」セクションの様子

武川さん「お客様の患部の型を石こうを含ませたギプス包帯で採型した『陰性モデル』に石こうを流し込み、固まらせてできるのが『陽性モデル』です。固定用に差し込んだ鉄の棒は、エコロジーに配慮して何度も繰り返し使っています。」
CAD/CAM

武川さん「CAD/CAMといった先端のテクノロジーも導入しています。ただし、これを使えるのは熟練した人だけ。匠の技あってこその最先端技術です。」

義肢・装具製造の中で最も重要なセクション。
③「金属装具・硬性装具」

ここで、作っているのは「上肢装具」「下肢装具」「体幹装具」。金属支柱の曲げ合わせや樹脂成型などでオーダーメイドの装具づくりをしています。

下肢装具

武川さん「お客様のご要望に沿って、カラフルなものや子ども向けのかわいいデコレーションが施された下肢装具も作られています。」
「金属装具・硬性装具」セクションの様子

武川さん「規格化部品の採用や一部作業の外注化などにより、コスト&タイムの削減を実現。ここには修理品もたくさん持ち込まれます。」
体幹装具

武川さん「側湾症の矯正用や腰痛対策用、骨折等のリハビリ用など、体幹装具は多岐にわたる用途で、様々な人たちに使われています。」
「金属装具・硬性装具」セクションの様子

武川さん「どこに何があるかすぐわかる、整理整頓して置かれた工具類。このような配慮から、精巧なモノづくりが始まります。」

足にぴったりフィットする靴をつくっています。
④「整形靴」

標準木型を補正したり、中敷きを工夫したり、お客さまの足にぴったりフィットする靴を作っています。ギプスで足型を採り、モデル修正した型を用いた特殊靴も製作しています。

「整形靴」セクションの様子

武川さん「保険が利かず、自己負担になりますが、“ブーツタイプにしてほしい!”など、おしゃれ仕様のオーダーもあります。」
中敷きを工夫

武川さん「中敷きをオーダー製造して、できるだけ痛みがないようにするなどの工夫をしています。手に障がいがあって脱ぎ履きしづらい人にはファスナーを使ったデザインにしたりしています。」
「整形靴」セクションの様子

武川さん「既製の靴型を基にカスタマイズするだけでなく、トリッシャムという採型材料を使って、より正確に足型を採取するケースもあります。」

製品を完成させる最終工程です。
⑤「仕上げ」

義肢・装具の使いやすさや着け心地、見た目をよくするために、パッドやカバー、脱着ベルトなどを取りつける最終段階のセクション。仕掛品はここで仕上げられ、完成品となります。

「仕上げ」セクションの様子

武川さん「縫製などの工程があり、女性スタッフの多いセクションです。女性のきめ細かな気配りが作業に活かされています。」

そして、主にリハビリテーションに使う機器をつくる2階へ。

2階「リハビリテーション製品製造」フロア

「リハビリテーション製品製造」フロアとなっているのが2階。①「軟性コルセット」、②「車いす」、③「姿勢保持」、④「ギプスモデル」、⑤「縫製」、⑥「規格品」、⑦「感覚統合訓練器具」のセクションがあります。

2階フロアマップ

腰痛の方々のお役に立っています。
①「軟性コルセット」

腰の痛みを和らげるためのソフトタイプのコルセットを製造。多い時には1日約100個作っています。

より快適な車いすをプロデュース。
②「車いす」

ここでは、車いすをより快適に使いやすくするために、さまざまな改造やオプション製作、修理、メンテナンスを実施しています。

車いす製造の様子

武川さん「クッションや背もたれなどをオリジナルで製作。車いすの機能を高めるサポートをしています。本体の製造は車いすメーカーに発注しています。」

「座る」をサポートしています。
③「姿勢保持」

自分の力だけではうまく座れない人が、長時間にわたって座っていられるような椅子などを製作しています。

CAD/CAMで大きなモデルを製作。
④「ギプスモデル」

姿勢保持具やチェアスキー(※)のバケットシートなど、大型の陽性モデルを製作しています。
(※下肢などが不自由な人のために開発されたスキー)
「ギプスモデル」セクションの様子

使う人のことを思いながら丁寧に。
⑤「縫製」

ここでは、ベルトやクッションのカバーを作っています。使い勝手や着け心地はもちろん、見た目のよさも意識しながら、一つひとつ丁寧にミシン掛けが行われています。

オーダーメイドの技術を活用。
⑥「規格品」

オーダーメイドの製作技術を活かして、ヘルメットや下肢装具などのオリジナル既製品を製作しています。

オリジナル既製品

武川さん「ちょっとおしゃれな、“使ってみたいな”と思ってもらえるような製品づくりを心がけています。」

感覚を刺激してリハビリに応用。
⑦「感覚統合訓練器具」

学習障がい(LD)や自閉症などの発達障がいのあるお子さまなどへの訓練で使われる機器を製作しています。

「感覚統合訓練器具」セクションの様子

武川さん「グルグル回ったり、グラグラ揺れたりすることで五感を刺激し、アンバランスな感覚の統合を図り、諸機能の発達を促します。」

最後に、1階のショールームを見学しました。

1階「ショールーム」

車いすや歩行器、バス&トイレなど介護用品がずらり揃えられています。ショールームは土日もオープン。いつでも気軽に介護用品を体感&体験することができます。

展示品

武川さん「コミュニケーション機器やグッドデザイン賞を受賞した自社製品、ユニバーサルデザインの食器類、介助者をサポートする移乗機器など、幅広く展示しています。」

武川さんに「会社見学ツアー」への想いを伺いました。

バーチャル版「会社見学ツアー」は、いかがでしたか。最後に、ナビゲーターをしていただいた武川さんに「会社見学ツアー」に込めた想いをお伺いしました。
編集部:「会社見学ツアー」にはどんな方が参加されていますか?
武川さん:ご近所から遠方まで、年間に2,500人ほどの方々に来ていただいています。小学生の社会見学の一環から民生委員さんやメーカー社員さんたちの研修、教員の方の勉強会など、目的も多彩です。私個人としては、小学校の低学年の方など、小さなお子さまにできるだけたくさん来てほしいと思っています。固定観念ができるまでの純粋な心で、“いろいろな人がいて、それが当たり前なんだ”という体験をしてもらえたら、と。
「小さなお子さまにできるだけたくさん来てほしい」と語る武川さん。
編集部:「会社見学ツアー」を通して、何を伝えたいですか?
武川さん:私たちとお客様は、一生のおつきあいをしていく間柄です。お客さまの成長や希望に合わせて、さまざまな機器とサービスを作っていきたいと思っています。私たちが、一所懸命に“価値を届ける”ことで、お客様の仕事やスポーツやファッションまで含めた趣味の世界が広がるといいな、と思っています。「会社見学ツアー」に参加してもらうことで、私たちの日々の活動を知っていただき、多くの障がいのある方々が、私たちを信頼して「あきらめない」気持ちになっていただけたら本望です。
編集部:最後に、これからの介護・福祉に対しての想いをお聞かせください。
武川さん:できるだけ早く製品をお届けできるように努力したいと思っています。たとえば、脳卒中のリハビリにおいてもスタートするのが早ければ早いほど高い効果が期待できるといいます。私たちが製造と販売のセクションを分けたり、既製部分を増やして対応したりしているのは、「より早く、より正確な製品をお客様に届けたい」からです。これからも「会社見学ツアー」を通して、笑顔を創り、笑顔を広げていきたいと思っています。ぜひ、「会社見学ツアー」にいらっしゃってください。本日は、ありがとうございました。
笑顔を創り、広げたい、と笑顔で話す武川さん。
-編集後記-
医学の進歩で、足を切断せずに治療することが多くなり、義足の需要は減っているそうです。しかし、川村義肢さんでは年間3,000件の義肢の製造・修理を行っていると聞きました。また、下肢装具が17,000件、体幹装具が5,000件、靴が7,000件なのだそうです。トータルとしては義肢・装具の需要は増えているようです。
世界屈指の高齢化社会を迎えて、わが国では、ますますこのような介護やリハビリの機器への関心が高まることでしょう。そんな中、明確な企業理念の下、「会社見学ツアー」を実施するなど、オープンな活動を実践されている川村義肢さんには、心動かされ、信頼感を持つことができました。これからの社会を支えていく存在となる企業だな、と思いました。
義肢・装具製作所としては世界最大の規模を誇る工場で働いているスタッフの方々の真剣な表情、明るい笑顔が印象的でした。ぜひ、皆さんも「会社見学ツアー」に参加して、この会社の熱い想いや真摯な姿勢をリアルに体感してみてください。
川村義肢株式会社
-企業データ-
川村義肢株式会社
〒574-0064 大阪府大東市御領1-12-1
Tel:072-875-8000(代) Fax:072-875-8005(代)
http://www.kawamura-gishi.co.jp/
アクセス:JR学研都市線「住道駅」より徒歩約20分

「会社見学ツアー」(WEBまたはFAX申込み)
http://www.kawamura-gishi.co.jp/tour/index.html
●「一般見学コース」(無料*) *31~45名の団体ご利用の場合は有料。
●講義付き見学コース「ナレッジシャトル」(有料)

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